「さらば宇宙戦艦ヤマトのテーマは「命」説を考えた」
「なぜだよ」
「まずアバンで【命から命に受け継がれる大宇宙の息吹は永遠に終わることはない】で始まる。そして、沖田艦長の【命だよ】で終わる」
「えー。じゃあ愛はどうなるんだよ」
「愛は命を産み出す手段だ」
「じゃあさ。要するに命を捨てるという前提で、最初に【命から命に受け継がれる大宇宙の息吹】って言って命を予感させるのかよ」
「それは逆に捉えた方が良いと思う」
「なぜ?」
「【受け継がれる】という部分が重要だと思うからだ」
「なぜそれが重要なんだい?」
「沖田の幻が古代にそれを言うからだ」
「沖田から古代に受け継がれた何かがあるというわけだね」
「そうだな」
「でもさ。古代が死んだら子孫もない。オシマイじゃないか」
「ちちち。沖田と古代だって血縁はない。実は、島相原以下総員18名が古代を受け継ぐ後継者なんだよ」
「えー」
「希望を残して死んだ沖田に倣って、古代も希望を残して死ぬ。他に手段がないからだ。少なくとも古代は【他に手段はない】と思ったのだ」
「沖田は自分が死んでもイスカンダルへの旅を貫徹するという意思でヤマトに乗りこんだわけだね。他に方法が無いから」
「そう。その問題解決の思想性を古代は受け継いだ。とすれば最後は命が武器になるのは必然的な流れだ。まだ生きていてこそ戦える。そして、自分が死んでも後継者に受け継がれればそれでその人は社会的に【死なない】のだよ」
オマケ §
「【死にゆく星、生まれ来る星。命から命に受け継がれる大宇宙の息吹は】という流れは凄く意味が分からなかったのだ。何しろ、星に命はない。言葉が繋がらないのだ」
「それで?」
「でも、テーマが命であれば分かる。死にゆく星、生まれ来る星とは実際には星ではないからだ」